編集長から|読書家たちが選ぶアートにまつわる本
2021.01.26
人が読んでいる本が気になる。本の内容もさることながら、その人の個性までもが見えてくるからだ。今月号の特集では、ヤマザキマリ、森村泰昌、寄藤文平、辛酸なめ子などアートの世界で活躍する人たちに、よすがのように読んできた本を選出してもらった。
おすすめの本はもちろん、仕事前のウォーミングアップに読む本や自分史上最多再読本などは、創作の源をのぞき見する気分だ。日本美術、西洋美術、工芸、建築などジャンルごとにアートにまつわる本をセレクトしてくれたのは、橋本麻里と保坂健二朗の両氏。硬軟とりまぜて厳選された約75冊は、その選定基準も興味深い。
ほかに、谷崎潤一郎や萩原朔太郎など作家自ら装丁を施した書籍や、読書をモティーフにした国内外の絵画も紹介。美術作品に生まれ変わった、表現の一手段としての本の存在にも注目する。
コロナ禍のため家でおとなしく過ごす日々が増えている。そんな今こそ、読書に親しむチャンスだ!
(芸術新潮編集長 吉田晃子)